発行日 2013年5月10日
Published Date 2013/5/10
DOI https://doi.org/10.19020/J01864.2013256443
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76歳女。73歳時に鎖骨下動脈盗血症候群(SSS)と診断され、腎硬化症による慢性腎不全に対し加療を開始した。76歳時の入院1ヵ月前より意識消失発作が頻回となり、血清クレアチニン(Cr)高値と腎機能の増悪を認めたため、SSSの加療および血液透析導入目的に入院となった。腎性貧血はエリスロポエチンで管理されていた。胸部単純X線では、心胸比57%の心拡大を認めた。胸部造影CTおよび血管造影では、鎖骨下動脈に80%の狭窄および石灰化が存在し、右椎骨動脈から左椎骨動脈を経て左上腕への盗血現象が見止られた、冠動脈造影(GAG)では、3枝に多数の狭窄病変を認め、冠動脈バイパス術(CABG)の適応と判断されたが、カテーテル治療が選択された。入院41病日に鎖骨下動脈狭窄病変に対し、経皮的血管形成術(PTA)およびステント留置術を施行した。術後合併症もなく、第53病日に右内シャントを造設して第73病日に退院した。外来維持透析治療に移行し、その後CABGを施行した。
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