発行日 2013年3月10日
Published Date 2013/3/10
DOI https://doi.org/10.19020/J01864.2013181358
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睡眠障害をかかえる血夜透析患者に対し、メラトニン受容体MT1/MT2に作用するラメルテオンを投与し、その有効性と安全性について検討した。維持血液透析患者57例を対象に、問診票により睡眠障害の程度を把握した。問診票は寝付き、熟眠感、睡眠の質、覚醒、健康状態、意欲、不安の7つの評価項目をvisual analog scaleによってポイント化した。問診票の集計結果の特徴として、男性に比べ女性が全評価項目でポイントが低く、より睡眠への不満を抱いていた。また、すでに眠剤を内服している患者が内服していない患者と比べ全評価項目でポイントが低く、睡眠への不満がより大きいことが挙げられた。ラメルテオンの投与条件は寝付き、塾眠感、睡眠の質の3項目のいずれかが80ポイント以下で、かつ睡眠の改善を希望する症例で、今回、20例にラメルテオンを投与した。3例が傾眠または倦怠感、2例が眠剤に対する抵抗感を訴え、4週間以内に投与が中止された。寝付き、睡眠の質、健康状態、意欲の評価項目は、ラメルテオン投与前と比較し、12週間後に有意な改善を認めた。ラメルテオンの投与に起因する血液生化学的な異常は認めず、特記すべき臨床所見も認めなかった。
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