透析患者の疲労感
疲労研究の最前線 疲労研究 オーバービュー
山崎 彰代
1
,
稲葉 雅章
1大阪市立大学 大学院医学研究科代謝内分泌病態内科学・腎臓病態内科学
キーワード:
生物学的マーカー
,
質問紙法
,
血液透析
,
腎不全-慢性
,
睡眠障害
,
疲労
Keyword:
Fatigue
,
Kidney Failure, Chronic
,
Renal Dialysis
,
Surveys and Questionnaires
,
Sleep Wake Disorders
,
Biomarkers
pp.1439-1446
発行日 2015年11月10日
Published Date 2015/11/10
DOI https://doi.org/10.19020/J01864.2016055919
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疲労症状は,さまざまな疾病の予測因子と捉えられ,患者の主訴としてももっとも多いものの一つである.現代の日本では,半年以上続く慢性的な疲労を自覚している人の割合が高く,さらに慢性疲労を感じている人の約半数が日常生活において何らかの支障をきたしている.疾病予防の意味で,疲労の早期発見・早期予防・早期対処は医療費削減の観点からも重要であり,疲労を評価する方法の確立が急がれる.われわれは質問票を用いて疲労の定量化を行っているが,今後は疾患特異的な疲労症状の評価も必要と考えられる.近年,疲労によって変化する画像検査での変化,血液・唾液を検体とするバイオマーカーの測定など低侵襲な方法を利用して疲労を測定するさまざまな試みがなされており,今後さまざまな展開が期待できる.
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