特集 大腸Ⅱc─革命のその後
Ⅳ.拡大内視鏡診断が大腸Ⅱc,陥凹型病変にもたらしたもの(1)Pit patternの立場から
藤井 隆広
1
1藤井隆広クリニック
キーワード:
拡大内視鏡
,
Ⅱc
,
Narrow Band Imaging(NBI)
,
工藤・鶴田pit pattern分類
,
O-ring sign
Keyword:
拡大内視鏡
,
Ⅱc
,
Narrow Band Imaging(NBI)
,
工藤・鶴田pit pattern分類
,
O-ring sign
pp.403-412
発行日 2021年12月20日
Published Date 2021/12/20
DOI https://doi.org/10.19020/INT.0000000640
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1985年頃,大腸Ⅱcは“幻の癌”から“実在の癌”へと認識が変わった.そのⅡcの特徴として実体顕微鏡観察からⅢs型pitの存在が明らかになり,新たな工藤pit pattern分類が提唱された.1993年に製品化されたズーム式拡大内視鏡は,Ⅲs型pitを含め,生体内での認識を可能とした.拡大内視鏡によりⅡcを含め,pit pattern分類から全ての大腸腫瘍性病変に対し病理診断に近いレベルの内視鏡診断が可能となり,診断から治療までを1回の検査で完遂できるに至った.まさに,この頃が大腸内視鏡の革命期といえる.その後,Narrow Band Imaging(NBI)の画像強調装置が開発され,このNBIと拡大内視鏡の併用がⅡcの存在,質的,量的診断に大きく貢献してきた.今後は,若手内視鏡医による好奇心と探究心からⅡcの実態解明に向けた新たな診断への革命が期待される.
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