特集 ここまで来たde novo cancer
Ⅱ.De novo cancer 発見への挑戦─ 通常内視鏡・色素内視鏡,画像強調内視鏡(非拡大)まで
藤井 隆広
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1藤井隆広クリニック
キーワード:
Narrow Band Imaging(NBI)
,
色素内視鏡
,
表面陥凹型腫瘍
,
O-ring sign
,
PCCRC
,
見逃し癌
Keyword:
Narrow Band Imaging(NBI)
,
色素内視鏡
,
表面陥凹型腫瘍
,
O-ring sign
,
PCCRC
,
見逃し癌
pp.13-21
発行日 2020年4月20日
Published Date 2020/4/20
DOI https://doi.org/10.19020/INT.0000000433
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当院で施行した2 回以上のTCS 検査2,622 症例中post-colonoscopycolorectal cancer (PCCRC)は8 例に認め,そのほとんどはLST-NG や陥凹型由来の見逃し癌と考えられる病変であった.PCCRC として欧米が注目するsessile serrated lesion(SSL)由来と思われる病変は認めなかった.これらの表面型癌を見逃さず,早期の段階で誰もが発見できる内視鏡観察法が期待されている.現状では,WLI 観察,色素観察,NBI 観察があるなかで,正面視可能な盲腸の部位をモデルに,どの観察法が優れているかを検討したところ,色素>NBI>WLI 観察であった.しかしながら,色素観察法で全大腸のスクリーニングを行ううえでは,欠点として色素貯留部位での表面型腫瘍の拾い上げ診断に課題を有している.全大腸の内視鏡スクリーニングにおいて,色素観察以外のWLIとNBI 観察を比較検討した結果,LST-NG やⅡc の発見にはNBI 観察の有用性が示された.さらに,NBI 観察によるⅡc は,陥凹辺縁の反応性隆起部がリング状のbrownish に見え,そのリング中央の陥凹面は正~褪色調に見える特徴像があり,これをO-ring sign と呼んでいる.全大腸に対する内視鏡観察は,NBI観察が表面型腫瘍発見に有用であり,とくにⅡc の発見にはO-ring sign を意識した観察が重要と考えられた.しかし,将来に向けてはNBI や色素観察を超える画像強調観察や,人工知能(AI)によるⅡc 発見に向けた開発が期待される.
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