Japanese
English
今月の主題 内視鏡医も知っておくべき病理診断リファレンス—下部消化管腫瘍
主題アトラス
大腸:sessile serrated adenoma/polyp
Sessile Serrated Adenoma/Polyp
津山 翔
1
,
八尾 隆史
2
,
村上 敬
3
Sho Tsuyama
1
1順天堂大学医学部人体病理病態学
2順天堂大学大学院医学研究科人体病理病態学
3順天堂大学大学院医学研究科消化器内科学講座
キーワード:
SSA/P
,
SSA/P with CD
,
SSL
,
HP
,
鋸歯状経路
,
serrated pathway
Keyword:
SSA/P
,
SSA/P with CD
,
SSL
,
HP
,
鋸歯状経路
,
serrated pathway
pp.296-299
発行日 2021年3月25日
Published Date 2021/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403202269
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概念・定義
Torlakovicら1)2)は1996年にHP(hyperplastic polyp)の中に癌を合併する亜型が存在することを見い出し,2003年にSSA(sessile serrated adenoma)という名称を提案した.SSAに含まれるadenomaという用語と病理組織像の実情が合致していない,すなわち核腫大を認めるものの,その腫大は均一でなく,腫瘍性か否かが病理形態学的に認識は困難であるとの立場からそれらはsessile serrated polyp,sessile polyp with abnormal proliferation,atypical hyperplastic polypなどの名称で報告されていた.これらの病変はWHO分類2010 3)でSSA/P(sessile serrated adenoma/polyp)として用語の統一化が図られることとなった.
本邦ではSSA/Pは,“明らかな腫瘍とは判定できない鋸歯状病変で,①陰窩の拡張,②陰窩の不規則分岐,③陰窩底部の水平方向への変形(逆T字,L字型)のうち2因子以上を,病変の10%以上の領域に認めるもの”と定義されている4).
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