TOPICS 文献紹介〈炎症関連*〉
Mayo 内視鏡スコア1 の潰瘍性大腸炎患者に対する治療介入の有効性〔Review from ─ Infl amm Bowel Dis 2019;25:782-788〕
福田 知広
1
,
長沼 誠
1
,
金井 隆典
1
1慶應義塾大学医学部消化器内科
キーワード:
潰瘍性大腸炎
,
粘膜治癒
,
Mayo 内視鏡スコア
Keyword:
潰瘍性大腸炎
,
粘膜治癒
,
Mayo 内視鏡スコア
pp.81-82
発行日 2020年4月20日
Published Date 2020/4/20
DOI https://doi.org/10.19020/INT.0000000443
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- 文献概要
潰瘍性大腸炎(ulcerative colitis;UC)の治療目標として粘膜治癒(mucosal healing;MH)が重要視されている.これまで,MH はMayo 内視鏡score(Mayo endoscopic score;MES) 0,1 の症例と定義されてきたが,MES 1 はMES 0 よりも再燃率が高いことが多く報告され,MES 0 と1は分けて考えるべきであるとされている.それに伴い,近年は粘膜治癒の定義も変化し,MES 1は内視鏡的に寛解としない意見も多い.MES 1は内視鏡的には軽症に分類されるが,多くの患者は臨床的に寛解である.こういった「臨床症状は安定しているが,内視鏡的に軽度の炎症が残存する症例」に対して治療介入することの有効性は明らかではない.本研究は,臨床的寛解ながらMES 1 の内視鏡的活動性を有する潰瘍性大腸炎患者に対して,治療介入が再燃予防に寄与するかを検証する目的で行われた.
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