特集 ここまで来たde novo cancer
Ⅷ.症例(3) 家族性大腸腺腫症に発生しde novo cancer 様の発育を呈した小さな陥凹型SM 癌の1 例
山田 真善
1
,
岡村 卓真
1
,
張 萌琳
1
,
江郷 茉衣
1
,
川島 一公
1
,
高丸 博之
1
,
坂本 琢
1
,
松田 尚久
1
,
斎藤 豊
1
1国立がん研究センター中央病院内視鏡科
キーワード:
家族性大腸腺腫症
,
陥凹型
,
Ⅱc
,
SM 癌
,
APC
,
de novo cancer
Keyword:
家族性大腸腺腫症
,
陥凹型
,
Ⅱc
,
SM 癌
,
APC
,
de novo cancer
pp.71-76
発行日 2020年4月20日
Published Date 2020/4/20
DOI https://doi.org/10.19020/INT.0000000441
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家族性大腸腺腫症(FAP)に発生しde novo cancer 様の発育が示唆された陥凹型SM 癌の1 例を報告する.症例は40 歳代,男性.非密生型のFAP と診断されたが,予防的大腸全摘を拒否し,4~ 6 カ月ごとの密なサーベイランス大腸内視鏡検査とポリープ切除術で経過観察されていた.横行結腸に6 mm 大の陥凹型病変を認め,内視鏡的粘膜切除術(EMR)を施行した.病理組織学的所見は中~ 低分化腺癌,5×5 mm,T1b(SM 3,200μm),LyX,V1,HM0,VM±であった.追加で大腸全摘術を施行し,EMR 後瘢痕部位に癌の残存は認められず,リンパ節転移も認められなかった(pT1bN0M0).また,大腸全域にわたり約1,000 個の大腸ポリープが確認された.大腸全摘術を行わずに内視鏡的に経過観察を考慮する場合には,表現型や遺伝子型,癌の早期発見のための密なサーベイランス検査間隔,陥凹型病変の発生リスクなどを総合的に考慮して慎重に決定する必要がある.
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