TOPICS 文献紹介〈腫瘍関連*〉
松かさ・絨毛所見は潰瘍性大腸炎関連大腸癌またはdysplasia を示唆する内視鏡所見である〔Review from ─ Gastrointest Endosc 2019;89:565-575.e3〕
品川 貴秀
1
,
畑 啓介
1
,
森川 鉄平
2
,
瀧山 博年
1
,
江本 成伸
1
,
室野 浩司
1
,
金子 学
1
,
佐々木 和人
1
,
西川 武司
1
,
田中 敏明
1
,
川合 一茂
1
,
深山 正久
2
,
野澤 宏彰
1
1東京大学腫瘍外科
2東京大学病理部
キーワード:
潰瘍性大腸炎
,
大腸癌
,
内視鏡サーベイランス
,
拡大内視鏡
,
実体顕微鏡
Keyword:
潰瘍性大腸炎
,
大腸癌
,
内視鏡サーベイランス
,
拡大内視鏡
,
実体顕微鏡
pp.543-546
発行日 2019年11月20日
Published Date 2019/11/20
DOI https://doi.org/10.19020/INT.0000000422
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潰瘍性大腸炎(ulcerative colitis;UC)の患者においては,大腸粘膜の慢性炎症を背景に大腸炎関連大腸癌(colitis-associated cancer;CAC)やその前癌病変たるdysplasia の発生リスクが高いことが知られ,発癌の早期発見のためにサーベイランス大腸内視鏡検査が有効であり重要と考えられている.近年本邦において行われた狙撃生検とランダム生検の有用性を比較したランダム化比較試験では,腫瘍性病変の検出率において狙撃生検が従来のランダム生検と遜色がないことが示されたが,CAC やdysplasia の内視鏡像は通常の散発性大腸癌と比較してしばしば平坦で境界不明瞭であり,多くの非専門医にとってどのような病変を標的として生検すべきか,という点については明らかにはなっていない.本研究においてわれわれはUC のサーベイランスにおいて腫瘍性病変を発見・診断するために狙撃生検を行うべき内視鏡所見を明らかにすることを目的として,手術検体に対する実体顕微鏡観察によるKudo のpit pattern を含む表面構造の特徴と病理組織学的所見との関連を解析した.
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