特集 早期大腸癌内視鏡治療後の転移再発と予後
Ⅲ.先行する内視鏡治療は追加手術後の予後に影響するか?(2)予後に影響させないための注意点
吉井 新二
1
,
奥田 博介
2
,
久須美 貴哉
3
,
塚越 洋元
4
1NTT 東日本札幌病院消化器内科
2恵佑会札幌病院腫瘍内科
3恵佑会札幌病院外科
4恵佑会札幌病院消化器内科
キーワード:
内視鏡治療
,
摘除生検
,
早期大腸癌
,
大腸T1 癌
,
手術
,
予後
Keyword:
内視鏡治療
,
摘除生検
,
早期大腸癌
,
大腸T1 癌
,
手術
,
予後
pp.253-256
発行日 2019年5月20日
Published Date 2019/5/20
DOI https://doi.org/10.19020/INT.0000000340
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転移の可能性のある大腸T1 癌に内視鏡治療を行うことが追加手術後の予後に影響を与えないか危惧される.内視鏡治療の熱焼灼によって遺残腫瘍の増殖能が上がるという報告や,切除後検体からは評価できない非連続性脈管侵襲の報告等,慎重な意見がある一方,長期成績,周術期の合併症,死亡例の比較において先行する内視鏡治療は予後に影響しないと考えられている.しかし,SM 浸潤度以外のリスク因子はすべて腫瘍先進部の組織所見であることから,確実に一括完全摘除することがきわめて重要である.また,精度の高い内視鏡診断を行い,適切な切除標本の取り扱いができるように病理側と密接に連携することが重要である.
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