特集 小腸の炎症性病変を見直す
Ⅱ.各論 ( 6 )小腸リンパ管拡張症の臨床像と治療
中村 正直
1
,
大宮 直木
2
,
廣岡 芳樹
3
,
後藤 秀実
1
1名古屋大学大学院医学系研究科消化器内科学
2藤田保健衛生大学消化管内科
3名古屋大学医学部附属病院光学医療診療部
キーワード:
カプセル内視鏡
,
ダブルバルーン内視鏡
,
白色絨毛
,
蛋白漏出性腸症
,
小腸
Keyword:
カプセル内視鏡
,
ダブルバルーン内視鏡
,
白色絨毛
,
蛋白漏出性腸症
,
小腸
pp.531-535
発行日 2017年11月20日
Published Date 2017/11/20
DOI https://doi.org/10.19020/INT.0000000117
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腸リンパ管拡張症はリンパ管の狭窄閉塞もしくはリンパ管内圧の上昇に伴い蛋白や脂肪などが末梢のリンパ管から腸管内腔へ漏出する蛋白漏出性胃腸症の代表的疾患である.粘膜,粘膜下層におけるリンパ管の拡張の証明とそれによる臨床症状,臨床所見を認めた際に診断に至る.蛋白漏出性腸症としての診断も重要である.小腸粘膜所見が白色絨毛,散布性白点を有する白色絨毛群と,異常なしもしくは軽度絨毛腫大,ケルクリング襞腫大を認める非白色絨毛群の二つのタイプに分けられ,それらは治療の反応性が異なる.治療は栄養療法,薬剤療法,外科手術があるが著効する治療法は現在まで認めない.予後では日和見感染に注意が必要である.
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