特集 ヘリコバクター・ピロリ診療update
7.高齢者の除菌療法
河合 隆
1
,
岩田 英里
1
,
張 萌琳
1
,
新倉 量太
1
,
永田 尚義
1
,
柳澤 京介
1
,
杉本 光繁
2
1東京医科大学病院健診予防医学センター
2大分大学グローカル感染症研究センター
キーワード:
胃癌
,
高齢者
,
H. pylori除菌
,
胃癌検診
,
胃癌死亡数
Keyword:
胃癌
,
高齢者
,
H. pylori除菌
,
胃癌検診
,
胃癌死亡数
pp.1254-1260
発行日 2025年8月20日
Published Date 2025/8/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000003619
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日本における胃癌死亡数は減少傾向にあるが,65歳以上の高齢者の割合が急速に増加し,現在90%以上を占めている.さらに全胃癌死亡数は確かに減少傾向であるが,80歳以上の胃癌死亡数は増加傾向にあり,とくに85歳以上ではその増加が顕著である.H. pylori除菌治療は胃癌予防の戦略であるとWHOから声明が発信されており,胃がん検診と並んで重要な対策である.東京20施設以上のデータでは確かに70歳以上で除菌率の低下があり,80歳以上では顕著であるが,ボノプラザンをベースとしたH. pylori除菌にて十分な除菌率が得られる.高齢者のH. pylori除菌を今後,積極的に行っていく必要があると思われる.

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