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疾患の概要
MALT(mucosa-associated lymphoid tissue)リンパ腫は,持続する慢性炎症により節外臓器(唾液腺,消化管,気管支など)に形成されるMALTを発生母地とする低悪性度の悪性リンパ腫である。胃はMALT リンパ腫が最も多くみられる臓器であり,胃MALTリンパ腫の約80%はHelicobacter pylori(H. pylori)に感染している1)。胃MALTリンパ腫は欧米では胃前庭部に多いとされているが,本邦では胃体部や胃上部にも好発している。内視鏡所見は,びらんや潰瘍など多彩で,多発することも少なくない2)。確定診断は病理組織学的診断にて行われる。腫瘍細胞は,胃・十二指腸では表層上皮や固有腺に浸潤し,リンパ上皮病巣(lymphoepithelial lesion:LEL)を形成する。HE 染色および免疫組織化学染色が必須であり,必要に応じて遺伝子転座の検索を行う。臨床病期は,頸部〜骨盤CT検査,骨髄穿刺,超音波内視鏡検査,下部消化管内視鏡検査,Gaシンチグラフィーなどが行われる。最近では,FDG-PET(fluorodeoxyglucose positron emission tomography)も利用してLugano分類を用いて決定する。胃 MALTリンパ腫では,限局期(Ⅰ期・Ⅱ1期:すなわち胃のみ,あるいは胃周囲の局所リンパ節にとどまる)が約8割を占める。H. pyloriの検査には,培養法,鏡検法,血清抗体・尿中抗体法,便虫抗原法,13C尿素呼気試験,胃液PCR法(スマートジーン)がある。限局期の胃MALTリンパ腫では,H. pylori除菌療法によって60〜90%の症例で完全寛解が得られており,その長期予後も良好であると報告されている2)。しかしながら,H. pylori後除菌18年後に他部位にMALTリンパ腫とびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)の出現を認めた症例を報告する。

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