特集 肝硬変 ―病態と診断の最新知見
3.診断・評価(6)超音波内視鏡(EUS)を用いた門脈圧較差の測定
山宮 知
1
,
入澤 篤志
1
,
稲葉 康記
1
,
永島 一憲
1
,
Rafael Romero-Castro
2
1獨協医科大学医学部内科学(消化器)講座
2Division of Gastroenterology, Virgen Macarena University Hospital
キーワード:
門脈圧亢進症
,
肝静脈楔入圧
,
超音波内視鏡
,
EUS下門脈圧較差測定
Keyword:
門脈圧亢進症
,
肝静脈楔入圧
,
超音波内視鏡
,
EUS下門脈圧較差測定
pp.788-794
発行日 2025年6月20日
Published Date 2025/6/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000003504
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門脈圧亢進症に伴う病態としては,食道胃静脈瘤,異所性静脈瘤,門脈大循環シャントによる難治性肝性脳症,肺動脈性肺高血圧症,腹水などが挙げられる.このなかでも,静脈瘤破裂は致命的な転機を辿ることもあり,また,近年注目されている肺動脈性肺高血圧症も予後不良とされ,正確な門脈圧測定は適切な門脈圧亢進症診療実施に有用な情報を与える.これまでの門脈圧測定のゴールドスタンダードは,侵襲的なカテーテル検査である肝静脈楔入圧の測定であった.近年,超音波内視鏡(EUS)を用いて門脈圧較差を測定するEUS下門脈圧較差測定(EUS-PPGM)の有用性が報告されている.EUS-PPGMは手技に伴う偶発症が少なく有用な評価法とされるが,標準的な臨床手技として確立するには,さらなる研究実施とデバイス開発を含めた内視鏡手技の向上が求められる.

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