脂肪肝におけるエラストグラフィでは肝線維化がわかる

非アルコール性脂肪肝疾患（NAFLD）とは

　脂肪肝には飲酒によるもの，薬剤性や症候性によるものがあるが，それ以外の飲酒習慣のない脂肪肝による疾患の総称は非アルコール性脂肪肝疾患（nonalcoholic fatty liver disease：NAFLD）と定義され，そのなかに良性である単純性脂肪肝（nonalcoholic fatty liver：NAFL）と慢性進行性の肝炎である非アルコール性脂肪肝炎（nonalcoholic steatohepatitis：NASH），さらには肝硬変や肝臓がんが含まれる（図1）^1）．ここで注意したいのは飲酒習慣がないという定義は男性では1日アルコール換算で30g未満であることである（女性では1日20g未満），これはビール中瓶1本程度に相当するが，この程度では非アルコール性ということである．飽食の時代に世界中でNAFLD患者は増加しており，最近のメタ解析ではわが国を含む多くの国で4人に1人が罹患している．肝臓疾患では患者数最多の疾患であるといえよう．