特集 胆囊ポリープ・腺筋腫症,胆囊良性疾患の診断と治療
4.胆囊腺筋腫症の分類・診断・治療
潟沼 朗生
1
,
金 俊文
2
1札幌医科大学消化器内科/消化器がん遠隔医療講座
2手稲渓仁会病院消化器病センター
キーワード:
胆囊線筋腫症
,
Rokitansky-Aschoff sinus
,
胆囊癌
,
胆囊壁肥厚
Keyword:
胆囊線筋腫症
,
Rokitansky-Aschoff sinus
,
胆囊癌
,
胆囊壁肥厚
pp.636-641
発行日 2025年5月20日
Published Date 2025/5/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000003466
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胆囊腺筋腫症は,胆囊壁内のRokitansky-Aschoff sinus (RAS)の増殖および周囲の平滑筋細胞の壁内増生による胆囊壁の肥厚を主体とする病態であり,形態からfundal type(底部型),segmental type(分節型),diffuse type(びまん型)の3型に分類されている.画像検査で,胆囊壁の肥厚を有し,肥厚した壁内にRASを認めることで診断される.しかし,胆囊壁肥厚を有する病態は急性・慢性胆囊炎や黄色肉芽腫性胆囊炎などの良性疾患のみではなく胆囊癌も重要な鑑別疾患に挙がるために注意が必要となる.胆囊腺筋腫症と発癌との関係は明らかではないものの,胆囊腺筋腫症に胆囊癌が合併するとより診断が難しくなる.無症状の胆囊腺筋腫症は経過観察でよいが,常に癌の合併を念頭におき治療方針を決定すべきである.

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