Japanese
English
臨床報告
腹腔鏡下胆囊摘出術後に診断されたRokitansky-Aschoff sinus内に発生した胆囊癌の1例
A case of gallbladder cancer derived from a Rokitansky-Aschoff sinus that was diagnosed after laparoscopic cholecystectomy
中山 智英
1
,
森田 高行
1
,
田中 栄一
1
,
≥崎 肇
1
,
桑谷 俊彦
1
,
髙橋 利幸
2
Tomohide NAKAYAMA
1
1北海道消化器科病院外科
2北海道消化器科病院病理部
キーワード:
胆囊腺筋症
,
Rokitansky-Aschoff sinus
,
胆囊癌
,
腹腔鏡
Keyword:
胆囊腺筋症
,
Rokitansky-Aschoff sinus
,
胆囊癌
,
腹腔鏡
pp.359-364
発行日 2015年3月20日
Published Date 2015/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407210687
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要旨
症例は70歳,男性.食後の上腹部痛を主訴に外来を受診した.腹部超音波検査で胆囊全体の壁肥厚像および内腔に小結石と思われる高エコー像を多数認め,CTでも同様に胆囊全体の壁肥厚像,内腔の胆石を認めた.MRCPでは頸部から底部にかけてRokitansky-Aschoff sinus(RAS)を認め,胆囊腺筋症および胆石症の術前診断に対し,腹腔鏡下胆囊摘出術を施行した.病理組織学的検査では,胆囊内腔の粘膜は異型細胞も認めず正常であったが,胆囊底部のRAS上皮にadenocarciomaを認めた.病変のほとんどは上皮内癌であったが,一部で間質浸潤から漿膜下層への浸潤を認め,RAS内に発生したss胆囊癌の診断であった.胆囊腺筋症に対する手術時には,RAS内発生胆囊癌の可能性も念頭に置き,手術操作に気を付ける必要がある.
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