特集 消化器内科医のためのIgG4関連疾患
9.IgG4関連胆囊疾患
萱原 正都
1
1NHO金沢医療センター外科
キーワード:
IgG4関連疾患
,
胆囊壁肥厚
,
胆囊癌
Keyword:
IgG4関連疾患
,
胆囊壁肥厚
,
胆囊癌
pp.669-673
発行日 2021年5月20日
Published Date 2021/5/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000001795
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IgG4関連疾患胆囊病変は膵臓や胆管の合併病変として発見されることが多い.IgG4関連疾患包括診断基準を満たす孤立性胆囊炎症例はまれである.本疾患の特徴としては胆囊壁肥厚があり,粘膜面には大きな変化がないが,胆囊腺筋腫症や胆囊癌との鑑別が問題になる.病理学的には著明なリンパ球,形質細胞の浸潤と線維化(花筵状線維化)を認め,IgG4陽性形質細胞が多数認められ,閉塞性静脈炎も見られることがある.結石合併例では胆囊摘出術がなされるが,術前確定例ではステロイド療法も実施される.本疾患の特徴を理解すれば過大侵襲となる外科治療を回避できる可能性があるが,未だ術前診断体系は確立されておらず今後の課題である.
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