特集 胆囊ポリープ・腺筋腫症,胆囊良性疾患の診断と治療
3.胆囊非腫瘍性ポリープの病理
能登原 憲司
1
,
浅田 昌紀
1
1倉敷中央病院病理診断科
キーワード:
胆囊ポリープ
,
コレステロールポリープ
,
炎症性ポリープ
,
病理
Keyword:
胆囊ポリープ
,
コレステロールポリープ
,
炎症性ポリープ
,
病理
pp.627-635
発行日 2025年5月20日
Published Date 2025/5/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000003465
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胆囊の非腫瘍性ポリープを,コレステロールポリープと関連病変,炎症性ポリープに分類して病理所見を紹介する.コレステロールポリープの特徴は間質に泡沫細胞の集簇をきたすことである.上皮の増生が隆起の形成に関与し,これが顕著で泡沫細胞が少ないと過形成性ポリープと呼ばれる.また,間質に強い線維化が生じると線維性ポリープと呼ばれる.これらはいずれも類似した肉眼像を呈する.一方,炎症性ポリープのなかには肉芽(組織)ポリープ,fibromyoglandular polyp (FMGP),リンパ性ポリープがあり,それぞれ肉芽組織の形成,炎症を背景とする線維化と上皮の反応,リンパ濾胞の形成からなる.同じような病変であっても,幽門腺化生の強いFMGPが化生性ポリープと呼ばれるように,異なる名称で呼ばれることがあり注意を要する.

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