6.慢性便秘症の治療（4）非薬物療法②心理療法，バイオフィードバック療法

古くから便秘症は心理社会的ストレスとの関連が深い「心身症」の一つとして心療内科領域では捉えられてきた．心身症の根治療法は治療者と患者の対話による「心理療法」であることから，慢性便秘症に対して心理療法が有用である可能性は高い．本稿では慢性便秘症の主要な原因の一つである過敏性腸症候群に対してエビデンスが得られている各種の心理療法を紹介するとともに，当院で実施している心理療法の実際について示し，消化器内科・外科医が心療内科医と連携することの重要性について解説する．便秘症に対するバイオフィードバック療法は，これまでに多くのエビデンスが得られているが，実際に行われている施設は限られているのが現状である．本稿ではバイオフィードバック療法の実際について詳述する．