特集 上部消化管内視鏡を見直す ―基本から応用まで
3.食道腫瘍性病変の拾い上げ診断—非拡大観察において
飯塚 敏郎
1
1がん・感染症センター駒込病院消化器内科
キーワード:
食道観察
,
スクリーニング
,
IEE
,
NBI
Keyword:
食道観察
,
スクリーニング
,
IEE
,
NBI
pp.22-28
発行日 2024年12月20日
Published Date 2024/12/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000003315
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スクリーニング時の食道観察は,挿入時と抜去時で白色光観察とIEE観察を使い分けて行う.食道入口部では,挿入時・抜去時両方のタイミングで観察を行う.壁外性圧排部の肛門側や前壁の接線方向になる部分は見逃されやすい部位である.食道胃接合部では深吸気を行った状態で観察を行うことが望まれ,RDIなどを用いるとより効果的な観察が可能となる.色素散布はNBIと比較して感度は同等であるが,特異度で劣るため,サーベイランス時の散布の必要性は高くない.腫瘍と遭遇した場合は,病変の広がりとともに脱気や蠕動での変化を通して壁深達度の評価を行う.ドット状の異型血管の増生は早期癌の診断に役に立ち,角化や白苔などで表面が覆われている場合は,生検を施行し確定診断をつける.
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