特集 小腸疾患に対する最新の内視鏡臨床
5.小腸出血に対する最新の診断治療戦略
大宮 直木
1
1藤田医科大学医学部先端光学診療学講座
キーワード:
小腸出血
,
カプセル内視鏡
,
バルーン内視鏡
,
基礎疾患
,
血管性病変
Keyword:
小腸出血
,
カプセル内視鏡
,
バルーン内視鏡
,
基礎疾患
,
血管性病変
pp.1503-1508
発行日 2024年10月20日
Published Date 2024/10/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000003257
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小腸出血の原因で最も多い病変は,血管性病変とびらん・潰瘍性病変であり,次いで腫瘍・腫瘍性病変,憩室がある.まず,問診で小腸出血の原因・部位を予測する.基礎疾患指数(Ohmiya index)と50歳を境界とする発症年齢の2×2分割表から小腸出血の原因疾患を予測しうる.年齢を問わず基礎疾患指数が2以上の場合は血管性病変の頻度が高い.血管性病変は小さく,すぐに自然止血されるため,迅速かつ注意深い内視鏡検査が必要である.診断アルゴリズムとして,胸部~骨盤部造影CT,小腸カプセル内視鏡で小腸全体のスクリーニング検査を行う.病変の部位・性状によりバルーン内視鏡のアプローチ(経口または経肛門)を選択する.1回の検査で出血源が見つからない場合でも再出血時に根気よく検査を繰り返すことで確定診断に結びつく.
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