特集 急性胆囊炎・胆管炎を再考する
11.急性胆囊炎に対する外科治療の考え方
棚橋 亨
1
,
本田 五郎
1
,
川本 裕介
1
,
松永 雄太郎
1
,
大目 祐介
1
,
有泉 俊一
1
1東京女子医科大学病院消化器病センター外科
キーワード:
急性胆囊炎
,
腹腔鏡下胆囊摘出術
,
SS-inner層
Keyword:
急性胆囊炎
,
腹腔鏡下胆囊摘出術
,
SS-inner層
pp.1433-1441
発行日 2024年9月20日
Published Date 2024/9/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000003233
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急性胆囊炎治療の第一選択は早期の腹腔鏡下胆囊摘出術(Lap-C)であるが,併存疾患や全身状態のために早期手術が困難な場合には,胆囊ドレナージを含めた保存的治療を先行する.急性胆囊炎を発症すると胆囊壁は浮腫をきたし,増悪すると壊死へと進行するが,壊死に至らずに軽快した場合でも胆囊壁には線維化が起こり,線維化によって手術難度は高くなる.そのため,胆囊炎症例の手術難度はさまざまであり,Lap-Cではしばしば胆管や肝血管の損傷による合併症が発生しており,重篤化することがある.これらの合併症を回避するために,胆囊壁の瘢痕形成をきたした部位では胆囊壁をすべて切除することを放棄する手技(bailout surgery)への移行が推奨される.
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