特集 消化器がん薬物療法
第1部 各臓器がんにおける現在の標準治療と今後の展望 1章 食道癌 Ⅲ 切除不能食道癌に対する化学療法 1.現在の標準治療とそこに至るエビデンス
小倉 望
1
,
山本 駿
1
1国立がん研究センター中央病院頭頸部・食道内科
キーワード:
免疫チェックポイント阻害薬
,
KEYNOTE-590試験
,
CheckMate 648試験
,
irAE
Keyword:
免疫チェックポイント阻害薬
,
KEYNOTE-590試験
,
CheckMate 648試験
,
irAE
pp.1009-1013
発行日 2024年8月9日
Published Date 2024/8/9
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000003140
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切除不能な進行・再発食道扁平上皮癌に対する標準治療は全身化学療法であるが,長らくランダム化比較試験に基づく質の高いエビデンスは乏しく,シスプラチンと5-フルオロウラシル(5-FU)併用療法(CF療法)が,洋の東西を問わず標準的な一次治療として頻用されていた.しかし,CF療法の治療成績は,奏効割合(objective response rate;ORR)が30~40%,無増悪生存期間(progression-free survival;PFS)が4~6カ月と限定的である.また,二次治療以降にはタキサン系薬剤(パクリタキセル/ドセタキセル)もしくはイリノテカンの単剤療法が用いられていたが,10~40%のORRと8~10カ月の全生存期間(overall survival;OS)と,こちらも治療効果は限られていた.
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