特集 大腸内視鏡治療―CP/EMR/ESD/Underwater 関連手技の今
2.各論(9)Underwater ESD
小山 洋平
1,3
,
根本 大樹
1
,
福澤 誠克
1
,
河合 隆
2
,
糸井 隆夫
1
1東京医科大学病院消化器内科
2東京医科大学病院消化器内視鏡学
3上尾中央総合病院消化器内科
キーワード:
内視鏡的粘膜下層剝離術
,
大腸腫瘍
,
大腸癌
,
underwater
,
post-electrocoagulation syndrome
Keyword:
内視鏡的粘膜下層剝離術
,
大腸腫瘍
,
大腸癌
,
underwater
,
post-electrocoagulation syndrome
pp.685-691
発行日 2024年5月20日
Published Date 2024/5/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000003053
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従来の大腸ESD (CESD)は内視鏡からのCO2送気下で行うのが一般的であった.しかしながら近年,生理食塩水を用いた水中でのESD (UESD)の有用性が報告されている.UESDのメリットの一つとして,水が存在することによるヒートシンク効果により筋層への熱損傷を抑えられる可能性があることが挙げられる.ヒートシンク効果は術後偶発症の一つであるpost-ESD coagulation syndrome (PECS)の発症率を低減できる可能性があると考えた.当院のプロペンシティスコアマッチングを用いた検討ではCESDに比べてUESDにおいて有意にPECSの発症率が低いことが示された.偶発症予防の観点からUESDは有用な切除方法であると考えられる.今後UESDの有用性を検証するために,CESDと治療成績を比較するランダム化比較試験が必要である.
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