特集 大腸内視鏡治療―CP/EMR/ESD/Underwater 関連手技の今
2.各論(10)Peranal endoscopic myectomy(PAEM)
石田 亮介
1
,
豊永 高史
1
,
阪口 博哉
1
,
阿部 洋文
1
,
吉崎 哲也
1
,
児玉 裕三
1
1神戸大学大学院医学研究科消化器内科学分野
キーワード:
大腸T1b癌
,
MR sign
,
ESD
,
PCM
,
PAEM
Keyword:
大腸T1b癌
,
MR sign
,
ESD
,
PCM
,
PAEM
pp.692-697
発行日 2024年5月20日
Published Date 2024/5/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000003054
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内視鏡的粘膜下層剝離術(ESD)の技術的進歩に加え,高齢化や併存疾患から,大腸cT1b癌に対して診断的切除を含めESDを施行する頻度は増加している.とくに直腸ではその傾向が顕著だが,追加手術の要否を決定するためには浸潤距離,脈管侵襲の有無,組織型,簇出Gradeを正確に判定する必要がある.しかし,T1b癌は粘膜下層に高度な線維化やMR signを伴っていることがあり,剝離中にこれらの重要な転移リスク因子を損傷する可能性が高い.筆者らはPCMの導入と食道におけるPOEM/POETの経験から,MR signを呈する周囲の内輪筋を輪状に切開し内輪筋と外縦筋の間で切離するPAEMを考案し,確実に粘膜下層全層を含む切除標本を得ることが可能となった.PAEMによりRbにおけるT1b癌を完全一括切除する内視鏡的切除技術は確立されたといえるが,T2癌の正確な診断などが今後の課題と考えられる.
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