特集 大腸内視鏡治療―CP/EMR/ESD/Underwater 関連手技の今
2.各論(8)ESD:Water pressure method(WPM)
飽本 哲兵
1
,
増永 哲平
1
,
矢作 直久
1
,
加藤 元彦
2
1慶應義塾大学医学部腫瘍センター低侵襲療法研究開発部門
2慶應義塾大学医学部内視鏡センター
キーワード:
内視鏡的粘膜下層剝離術
,
大腸
,
water pressure method
Keyword:
内視鏡的粘膜下層剝離術
,
大腸
,
water pressure method
pp.678-684
発行日 2024年5月20日
Published Date 2024/5/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000003052
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Water pressure method (WPM)は浸水下に内視鏡の送水機能を用いて,水の圧力と浮力で粘膜下層を展開し,粘膜フラップの作成と粘膜下層への潜り込みを行う手技であり,高難易度の十二指腸ESDを克服するために開発された.大腸ESDにWPMを適用することで安全かつ効率的なESDを行うことができるだけでなく,過送気による内視鏡の操作性の悪化を防ぎ,患者の疼痛も軽減される.WPMはESD初学者の治療時間を短縮し,粘膜下層に線維化を伴った病変や憩室にかかる病変などでも効果的である.通電時の気泡の発生や出血時の視野確保などの課題もあるが,大腸ESDを標準化しうる手技の一つとして期待されている.
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