特集 消化管出血のマネジメントが変わっている? ―最新情報と診療の実際
2.各論(8)放射線性腸炎患者における出血のマネジメント
十倉 淳紀
1
,
千野 晶子
1
1がん研有明病院下部消化管内科
キーワード:
放射線性腸炎
,
アルゴンプラズマ凝固
,
血便
Keyword:
放射線性腸炎
,
アルゴンプラズマ凝固
,
血便
pp.1425-1431
発行日 2023年9月20日
Published Date 2023/9/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002812
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放射線性腸炎は放射線治療後に生じる腸管の有害事象であり,発症時期や病態により早期障害と晩期障害に分類される.臨床上問題となるのは,最終照射から半年後以降に現れる晩期障害であり,血便が最も多い.放射線性腸炎の病態や重症度の予測には,的確な問診が重要である.症状が出血主体の場合には大腸内視鏡検査を行い,拡張した新生血管や脆弱粘膜の所見により診断は容易である.大腸内視鏡検査は正確な病態把握に最も有用な検査であり,治療方針を決定するうえでも必要である.治療は,新生拡張血管を認める場合は内視鏡分類を用いた重症度診断に応じて治療戦略を立てる必要があり,第一選択となるのは内視鏡下によるAPC治療であり,長期成績も望める.
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