Japanese
English
臨床報告
狭窄をきたした卵巣癌術後放射線性大腸炎に合併したS状結腸同時性3重癌の1例
A case of synchronous triple sigmoid colon cancer accompanied with radiation colitis after irradiation for ovarian cancer
有吉 要輔
1
,
中西 正芳
1
,
村山 康利
1
,
栗生 宜明
1
,
小島 治
2
,
大辻 英吾
1
Yosuke ARIYOSHI
1
1京都府立医科大学消化器外科
2医療法人こじまクリニック
キーワード:
放射線性腸炎
,
S状結腸癌
,
放射線誘発癌
Keyword:
放射線性腸炎
,
S状結腸癌
,
放射線誘発癌
pp.1273-1278
発行日 2014年10月20日
Published Date 2014/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407105227
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要旨
症例は78歳,女性.主訴は下痢・排便障害.既往歴として38歳時に卵巣癌に対し手術および放射線治療(照射線量など詳細不明)を受けていた.便潜血陽性を指摘され下部消化管内視鏡を施行したところ,S状結腸に強い狭窄を認め,生検で腺癌が検出された.放射線性腸炎による狭窄に大腸癌が合併したものと診断し,腹腔鏡下ハルトマン手術を施行した.病理組織学的検査では2か所の2型病変と1か所の0-Ⅱa病変のそれぞれより腺癌を認め3重癌と診断した.背景粘膜は放射線性大腸炎の晩期像を示しdysplasiaなども認められた.骨盤内悪性腫瘍に対する放射線治療による放射線性腸炎は発癌の高リスクであり,厳重なフォローアップが求められる.
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