特集 血流障害と消化管疾患
4 .その他(2)放射線性腸炎
池之山 洋平
1
,
千野 晶子
1
,
五十嵐 正広
1
,
井出 大資
1
,
斎藤 彰一
1
1がん研有明病院消化器内科
キーワード:
放射線性腸炎
,
早期障害
,
晩期障害
,
拡張血管
,
直腸潰瘍
Keyword:
放射線性腸炎
,
早期障害
,
晩期障害
,
拡張血管
,
直腸潰瘍
pp.79-85
発行日 2018年12月20日
Published Date 2018/12/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000623
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放射線性腸炎は,放射線治療の照射範囲に隣接する腸管に生じる有害事象である.原発巣に応じてさまざまな放射線照射方法があり,頻度の差はあるものの,いずれの照射方法でも放射線性腸炎は起こりうる.病態は,照射中から数週間以内に出現する早期障害と,数カ月以降に発症する晩期障害に分けられるため,発症時期や重症度を考慮した対処が必要である.頻度の高い直腸出血に対しては,アルゴンプラズマ凝固法(APC)が有用であり,潰瘍を伴う場合には高圧酸素療法の併用が効果的である.重症例では狭窄や瘻孔による通過障害が出現する例も少なからず存在し,手術が必要な場合もあるが,術後合併症の可能性を考慮した対応が必要となる.
![](/cover/first?img=CG.0000000623.png)
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