特集 感染症を病歴と診察だけで診断する!
【System 2 理詰めで追い詰める感染症】
感染性胃腸炎=「“除外×2”,のち“落とし穴×3”,ところにより一時 市中腸炎」
佐田 竜一
1
1亀田総合病院総合内科・内科合同プログラム
キーワード:
感染性胃腸炎の鑑別
,
細菌性腸炎の症状
,
血便
Keyword:
感染性胃腸炎の鑑別
,
細菌性腸炎の症状
,
血便
pp.724-728
発行日 2014年8月15日
Published Date 2014/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414103305
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Case
腸炎症状の後に血尿,意識障害をきたした一例
患者:60代,女性.
既往歴:乳癌で化学療法中.
現病歴:7日前から1日3~4回の下痢と腹痛が出現したため,3日前に救急外来を受診した.下痢にはやや血が混ざっていたとのこと.採血検査などで炎症反応が低値ということで整腸薬を処方され帰宅となったが,それ以降,血便傾向がさらに強くなって1日前からほぼ血液便と化し,意識障害も出現してきたため救急搬送された.採血にてHb 8.2g/dlの貧血と,BUN 60mg/dl,Cre 3.4mg/dlと急な腎不全も出現し,血尿も認められた.溶血性尿毒素症症候群を疑い便検査をしたところverotoxin産生が確認され,最終的に腸管出血性大腸菌O-157と同定された.
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