特集 これで慌てない! 消化管出血マネージメント
消化管出血をきたす疾患の診断と対処法
放射線性腸炎,直腸潰瘍
古谷 建悟
1
,
千野 晶子
1
1がん研究会有明病院下部消化管内科
キーワード:
放射線性腸炎
,
アルゴンプラズマ凝固治療
,
直腸潰瘍
,
急性出血性直腸潰瘍
,
宿便性潰瘍
Keyword:
放射線性腸炎
,
アルゴンプラズマ凝固治療
,
直腸潰瘍
,
急性出血性直腸潰瘍
,
宿便性潰瘍
pp.376-381
発行日 2025年3月1日
Published Date 2025/3/1
DOI https://doi.org/10.34433/dt.0000001183
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Headline
・放射線性腸炎は放射線治療後に生じる有害事象であり,発症時期や病態により早期障害と晩期障害に分類される.血便などで臨床上問題となるのは最終照射から半年後以降に出現する晩期障害である.
・問診により重症度を予想し,大腸内視鏡検査を行い,拡張した新生血管の範囲や潰瘍の有無などから病態と重症度を評価し,治療戦略を立てる.
・拡張血管が主体の病変で,臨床的に血便や貧血が問題となっている場合は内視鏡下によるアルゴンプラズマ凝固(APC)治療が第一選択であり,長期的な止血効果も期待できる.
・直腸潰瘍は腫瘍性・非腫瘍性に大別され,鑑別疾患も多彩である.内視鏡検査前に基礎疾患や生活習慣などの患者背景を把握しておくことと,各疾患に特徴的な内視鏡像を熟知しておくことが肝要である.
・直腸潰瘍の治療方針は疾患ごとに異なるが,露出血管などの出血点が同定できる場合はクリッピングや凝固止血などの内視鏡的止血術が第一選択となる.

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