特集 GERD診療Update 2023
3.GERDの診断
増田 恵利香
1
,
柳井 優香
1
,
赤澤 直樹
1
,
横井 千寿
1
,
秋山 純一
1
1国立国際医療研究センター病院消化器内科
キーワード:
胃食道逆流症(GERD)
,
逆流性食道炎
Keyword:
胃食道逆流症(GERD)
,
逆流性食道炎
pp.1141-1148
発行日 2023年7月20日
Published Date 2023/7/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002745
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「胃食道逆流症(GERD)診療ガイドライン」(改訂第3版)では,GERDの診断の三つの柱として「自覚症状の評価」「内視鏡診断」「逆流現象の評価」が挙げられている.GERDの定型的食道症状として胸やけ・呑酸,非定型的症状(胸痛や食道外症状)として非心臓性胸痛・咳嗽・喉頭炎・喘息・歯の酸蝕症などがある.逆流性食道炎の内視鏡的重症度分類としてロサンゼルス分類が汎用されているが,食道粘膜傷害の内視鏡的重症度と自覚症状の重症度は必ずしも相関しない.薬物治療抵抗性GERDにおいては,GERD以外の疾患を念頭において鑑別診断を行う必要がある.食道インピーダンス・pH検査は,実際の逆流現象を捉え,症状との関連性を評価することができ,病態把握および治療方針決定に有用である.GERDに対する内視鏡治療や外科治療などの侵襲的な治療を行う前提として,GERDの正確な診断は必須である.
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