特集 消化器不定愁訴 スッキリ解決で患者満足度アップ!
不定愁訴をきたす疾患と治療
逆流性食道炎(胃食道逆流症)
小池 智幸
1
,
齊藤 真弘
1
,
正宗 淳
1
1東北大学病院消化器内科
キーワード:
胃食道逆流症(GERD)
,
逆流性食道炎
,
非びらん性逆流症(NERD)
Keyword:
胃食道逆流症(GERD)
,
逆流性食道炎
,
非びらん性逆流症(NERD)
pp.1049-1055
発行日 2025年9月1日
Published Date 2025/9/1
DOI https://doi.org/10.34433/dt.0000001486
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Headline
・胃食道逆流症(GERD)は,食道粘膜傷害を有する「逆流性食道炎」と症状のみを認める「非びらん性逆流症(NERD)」に分類される.
・逆流性食道炎の内視鏡診断には,mucosal break(粘膜傷害)の概念が導入されたロサンゼルス分類が広く用いられており,minimal change診断の問題はあるものの,客観性は高く有用である.
・プロトンポンプ阻害薬(PPI)が,その強力な酸分泌抑制作用からGERDの第一選択薬とされてきたが,重症逆流性食道炎では2015年から使用可能となったより強力な酸分泌抑制作用をもつカリウムイオン競合型アシッドブロッカー(P-CAB)であるボノプラザンが初期治療の第一選択薬である.
・GERDに対する経口内視鏡治療として,わが国で開発された内視鏡的逆流防止粘膜切除術が2022年4月に保険適用となり,今後の普及が期待されるが,長期的な治療効果などの検討が必要である.

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