特集 高齢者の消化器疾患 ― 適切な診断法と治療法を目指して
1.胃食道逆流症(GERD)
藤原 靖弘
1
1大阪市立大学消化器内科学
キーワード:
胃食道逆流症(GERD)
,
プロトンポンプ阻害薬(PPI)
,
カリウム競合型アシッドブロッカー(P-CAB)
,
ヒスタミンH2受容体拮抗薬(H2RA)
Keyword:
胃食道逆流症(GERD)
,
プロトンポンプ阻害薬(PPI)
,
カリウム競合型アシッドブロッカー(P-CAB)
,
ヒスタミンH2受容体拮抗薬(H2RA)
pp.131-136
発行日 2022年1月20日
Published Date 2022/1/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002083
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高齢者GERDの特徴は,① 女性に多い,② 食道裂孔ヘルニア合併が多い,③ 円背・骨粗鬆症が関連する,④ 重症逆流性食道炎が多い,⑤ Helicobacter pylori感染・胃粘膜萎縮が少ない,⑥ 無症候性が多い,⑦ 狭窄・出血が多い,である.治療はNERDでは初期治療・維持療法ともにPPI,軽症逆流性食道炎では初期治療はPPIまたはP-CAB,維持療法はPPI,重症逆流性食道炎では初期治療・維持療法ともにP-CABが第一選択である.安全な薬物治療の観点から,PPIやP-CABは必要最小限の用量を用いて長期管理することが重要である.高齢者にはせん妄のリスクなどからH2RAは第一選択とならず,使用を控えることが望ましい.本稿では,「高齢者GERDガイドライン」,「高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015」,「GERD診療ガイドライン2021」を基に総説する.
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