特集 急性膵炎診療ガイドライン改訂とPancreatitis Bundles を読み解く
10.急性膵炎の長期予後と長期合併症 ―Disconnected Pancreatic Duct Syndrome (DPDS) を含めて 1085
飯澤 祐介
1
,
栗山 直久
1
,
岸和田 昌之
1
,
山田 玲子
2
,
中川 勇人
2
,
水野 修吾
1
1三重大学肝胆膵・移植外科
2三重大学消化器・肝臓内科
キーワード:
主膵管破綻症候群
,
膵内分泌機能不全
,
膵外分泌機能不全
,
膵癌
,
壊死性膵炎
Keyword:
主膵管破綻症候群
,
膵内分泌機能不全
,
膵外分泌機能不全
,
膵癌
,
壊死性膵炎
pp.1085-1092
発行日 2023年6月20日
Published Date 2023/6/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002722
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急性膵炎の致命率は低下している.それゆえ長期合併症のマネジメントを行い,長期予後を改善させることがいっそう,重要となる.主膵管破綻症候群(DPDS)は,壊死性膵炎の治療と同時期から壊死性貯留物が消失した数年後にかけて明らかになることがある.壊死性膵炎の治療過程や治療後に,難治性の膵周囲液体貯留,膵仮性囊胞,膵液瘻を認める場合,DPDSを念頭に検査を行う.DPDSには超音波内視鏡下経消化管的ドレナージが有効であり,内視鏡的治療が奏効しない場合は外科手術を考慮する.このほかに,急性膵炎では長期的に膵内外分泌機能不全や膵癌を発症することがあり,これらを念頭に経過を観察することが重要である.
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