特集 急性膵炎診療ガイドライン改訂とPancreatitis Bundles を読み解く
11.ERCP後膵炎の予防と治療
向井 俊太郎
1
,
糸井 隆夫
1
1東京医科大学消化器内科学分野
キーワード:
内視鏡的逆行性胆道膵管造影法
,
急性膵炎
,
膵管ステント
,
非ステロイド性抗炎症薬
Keyword:
内視鏡的逆行性胆道膵管造影法
,
急性膵炎
,
膵管ステント
,
非ステロイド性抗炎症薬
pp.1093-1098
発行日 2023年6月20日
Published Date 2023/6/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002723
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ERCP後膵炎は時に重篤化し死に至ることもある偶発症であり,その予防と発生時の対応は重要である.ERCP後膵炎の最も多い要因は,乳頭浮腫に伴う膵液のうっ滞である.そこで,高危険群に対して自然脱落型膵管ステント留置が予防法としてエビデンスが高い.薬剤投与については,NSAIDsの直腸内投与のエビデンスが高い.ERCP後に腹痛を認める場合は,処置後2~6時間の血中膵酵素測定をするなど,膵炎の早期診断に努め,治療に関しては「急性膵炎診療ガイドライン2021」の治療方針に従って適切な治療を進める.初回の重症度判定が軽症であっても,経過中に重症と判定される症例も少なくなく,経時的に繰り返し行うことが重要である.
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