特集 小児輸液revisited―“いつもの輸液” を見直そう
Ⅱ 各論
11.外傷・熱傷
池山 由紀
1
1あいち小児保健医療総合センター救急科
キーワード:
急性外傷性凝固障害
,
fluid creep
,
晶質液
,
熱傷輸液公式
Keyword:
急性外傷性凝固障害
,
fluid creep
,
晶質液
,
熱傷輸液公式
pp.174-179
発行日 2021年2月1日
Published Date 2021/2/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000001633
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外傷・熱傷に対する輸液蘇生はショックから離脱し臓器障害を起こさないことが目的である.輸液製剤はどちらも晶質液が一般的だが,輸液製剤,量ともに患児の状態を評価しながら行うことが重要である.外傷性ショックであれば,まず20mL/kgの晶質液のボーラス投与を行い,反応を見て繰り返す.ただし多すぎる晶質液の輸液は急性外傷性凝固障害,肺水腫や腹部コンパートメント症候群を引き起こす可能性があるので注意する.熱傷の場合も過剰輸液により引き起こされるfluid creepという概念が提唱されており,日本で広く使われているBaxterの公式で予測される輸液量を漫然と行わずに,尿量などを指標にしながら調整を行う.
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