特集 臨床に必要な消化管アレルギー疾患
4.好酸球性消化管疾患(3)好酸球性食道炎 a.診断
門馬 絵理
1
,
川見 典之
1
,
岩切 勝彦
1
1日本医科大学消化器内科学
キーワード:
好酸球性食道炎
,
縦走溝
,
輪状溝
,
白色滲出物
,
EREFS
Keyword:
好酸球性食道炎
,
縦走溝
,
輪状溝
,
白色滲出物
,
EREFS
pp.647-652
発行日 2023年5月20日
Published Date 2023/5/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002629
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好酸球性食道炎(EoE)はアレルギー性消化管疾患の一つであり,本邦での診断基準は2010年に作成され2015年に改訂が行われた.2020年には「幼児・成人好酸球性消化管疾患診療ガイドライン」が発行されている.つかえ感や胸やけなどの症状を有し,食道粘膜生検で15個以上/HPFの好酸球浸潤を認めることが診断の必須条件となる.EoEは縦走溝,輪状溝,白色滲出物などの特徴的な内視鏡所見を呈することが多く,内視鏡検査時にこれらの所見を認めた場合はEoEの可能性が高く積極的な生検が望まれる.確定診断には逆流性食道炎や他の好酸球増多疾患を除外する必要がある.EoEはさまざまな食道運動異常を呈することがあり,食道の異常強収縮をきたすhypercontractile (Jackhammer) esophagusの一部では食道筋層のみに好酸球浸潤を認めることがあり,好酸球性食道筋炎と呼ぶ新たな概念も提唱されている.
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