Japanese
English
特集 内視鏡データリファレンスブック2022
【臓器別】
咽頭・食道
好酸球性食道炎
Eosinophilic esophagitis
小阪 聡
1
,
藤原 靖弘
1
Satoshi KOSAKA
1
,
Yasuhiro FUJIWARA
1
1大阪市立大学大学院医学研究科消化器内科学
キーワード:
好酸球性食道炎
,
アレルギー
Keyword:
好酸球性食道炎
,
アレルギー
pp.572-575
発行日 2022年4月25日
Published Date 2022/4/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000000134
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
Ⅰ 概 要
好酸球性食道炎(eosinophilic esophagitis:EoE)は食道上皮の慢性好酸球性炎症により食道機能障害や食道線維化をきたす疾患である。小児例,成人例のいずれもあり,以前は欧米に多く,アジアでは比較的稀な疾患とされてきた。しかし近年本邦での有病率が上昇しているとの報告があり,内視鏡医には疾患に関する知識が要求される。病因・病態には不明な点が多いが,慢性的なアレルギー反応が推測されている。約半数は嚥下障害やつかえ感などの特徴的な症状を呈するが,25%は胃酸逆流症状がみられることには注意が必要である1)。食道好酸球浸潤のリスク因子として,肥満と食道裂孔ヘルニアの存在があげられる2)。アレルゲンの同定は困難であることがほとんどであるが,花粉症の減感作療法による発症例も散見され3),病歴聴取は重要である。
© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.