特集 臨床に必要な消化管アレルギー疾患
4.好酸球性消化管疾患(3)好酸球性食道炎c.無症候性好酸球性食道炎
田中 史生
1
,
渡邊 晃弘
1
,
金森 厚志
1
,
沢田 明也
1
,
藤原 靖弘
1
1大阪公立大学大学院医学研究科消化器内科学
キーワード:
好酸球性食道炎
,
無症候性食道好酸球浸潤
,
上部消化管内視鏡検査
Keyword:
好酸球性食道炎
,
無症候性食道好酸球浸潤
,
上部消化管内視鏡検査
pp.661-665
発行日 2023年5月20日
Published Date 2023/5/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002631
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無症候性食道好酸球浸潤は食道上皮内に著明な好酸球浸潤をきたしているにもかかわらず,そのことに起因する症状がない疾患である.診断の契機として健診等での上部消化管内視鏡検査で偶然発見されることが多い.無症候性食道好酸球浸潤の病態生理は概ね好酸球性食道炎(EoE)と類似しているが,臨床的特徴に差がある報告もあり,その差異は未だ明らかではない.現状では自然経過についての報告が少なく,治療の必要性について定まった見解がないが,治療を行う場合はプロトンポンプ阻害薬が奏功する症例が多い.EoEに進展する症例もあり,無治療であっても内視鏡検査や問診による定期的な経過観察が望ましい.
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