特集 臨床に必要な消化管アレルギー疾患
4.好酸球性消化管疾患(2)病態と臨床経過
石村 典久
1
,
石原 俊治
1
1島根大学医学部内科学講座第二
キーワード:
好酸球性食道炎
,
好酸球性胃腸炎
,
アレルギー
,
炎症
,
Th2型免疫応答
Keyword:
好酸球性食道炎
,
好酸球性胃腸炎
,
アレルギー
,
炎症
,
Th2型免疫応答
pp.640-646
発行日 2023年5月20日
Published Date 2023/5/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002628
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好酸球性消化管疾患(EGID)は好酸球性炎症の生じる部位により,好酸球性食道炎(EoE)と好酸球性胃腸炎(EGE)に分類される.EoEについては,病態に関する検討が進められており,食物や空気中の抗原に対する食道局所におけるTh2型優位の過剰な免疫応答によって,好酸球を中心とした慢性炎症を生じると考えられている.EGEも同様にTh2型優位の免疫応答が重要な病態と推測されるが,EoEとの病態の差異など,不明な点が多い.EGIDの多くは慢性的に経過し,継続的な治療を必要とする.EoEでは,長期の経過で線維化の進展により狭窄を呈するとされ,適切な治療介入が必要である.病態の把握により,IL-5やIL-13などをターゲットとしたさまざまな抗体製剤の臨床応用が進められている.
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