連載 内視鏡の読み方
胃内酸環境の変化が腫瘍の劇的な形態変化に関与したと考えられる除菌後発見早期胃癌の1例
下森 雄太
1
,
上尾 哲也
1
,
髙橋 晴彦
1
,
安部 真琴
1
,
久保山 雄介
2
,
村上 和成
3
1大分赤十字病院消化器内科
2大分赤十字病院病理診断科
3大分大学医学部附属病院消化器内科学講座
キーワード:
除菌後発見胃癌
,
NBI併用拡大内視鏡
,
P-CAB
Keyword:
除菌後発見胃癌
,
NBI併用拡大内視鏡
,
P-CAB
pp.471-476
発行日 2023年3月20日
Published Date 2023/3/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002579
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2013年2月にHelicobactor pylori(H. pylori)感染胃炎に対する除菌治療が保険適用となって以降,積極的に除菌治療が行われるようになったことから,H. pylori除菌後発見胃癌に遭遇する頻度が上昇した.H. pylori現感染胃炎を背景に出現する典型的な胃癌と比べて,除菌後発見胃癌においては,その存在診断や範囲診断,質的診断に苦慮する症例も少なくない.筆者らは,胃内酸環境の変化が腫瘍および背景粘膜の内視鏡所見に強く影響を及ぼす因子であると推察しており,とくに除菌後発見胃上皮性腫瘍(腺腫,高分化管状腺癌)においてはその変化が診断の手がかりになると考えている.今回,胃内酸環境の変化が腫瘍の劇的な形態変化に関与したと考えられる除菌後発見早期胃癌の1例を提示する.
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