特集 肝の超音波を知り尽くす ―肝腫瘍の診断と治療支援
2.穿刺診断と治療支援(2)治療支援 c.術中造影超音波
有田 淳一
1,2
,
宮田 明典
2
,
河口 義邦
2
,
赤松 延久
2
,
金子 順一
2
,
長谷川 潔
2
1秋田大学大学院医学系研究科消化器外科
2東京大学大学院医学系研究科外科学専攻臓器病態外科学肝胆膵外科
キーワード:
ソナゾイド
,
術中造影超音波
,
Kupffer相
,
肝細胞癌
,
大腸癌肝転移
Keyword:
ソナゾイド
,
術中造影超音波
,
Kupffer相
,
肝細胞癌
,
大腸癌肝転移
pp.1731-1736
発行日 2022年11月20日
Published Date 2022/11/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002456
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術中超音波は1990年代には肝臓外科において必須の手技となっているが,第二世代超音波用造影剤の登場後,とくに肝細胞癌と大腸癌肝転移の肝切除術における術中造影超音波の有用性の報告が蓄積し日本の肝臓外科ハイボリュームセンターでは広く行われるようになった.実際の手技としては,通常のBモード術中超音波で観察した後に一つの観察対象病変を決めてソナゾイド溶解液0.5 mlを静注し専用のハーモニックモードで血管相の観察を行い,さらに静注後10~15分からKupffer相で肝全体のスクリーニングを行う.大腸癌肝転移においては正確な腫瘍ステージングに加えて化学療法後に消失した腫瘍の同定にも有用である.今後はソナゾイドと,ヨーロッパや中国で汎用されているSonoVueとを比較することでさらに発展することが期待される.
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