特集 肝の超音波を知り尽くす ―肝腫瘍の診断と治療支援
1.腫瘍診断(5) b.肝臓の腺系腫瘤性病変の病理と画像
市原 真
1
,
長谷川 聡洋
2
1札幌厚生病院病理診断科
2札幌厚生病院放射線技術科
キーワード:
肝内胆管癌
,
細胆管細胞癌
,
胆管板形成異常様所見
Keyword:
肝内胆管癌
,
細胆管細胞癌
,
胆管板形成異常様所見
pp.1690-1696
発行日 2022年11月20日
Published Date 2022/11/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002449
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肝内胆管癌(intrahepatic cholangiocarcinoma;iCCA)は,WHO分類(2019)にて細胞学的特徴からsmall duct typeとlarge duct typeに大別され,肉眼型としてはmass forming MF type,periductal infiltrating type,intraductal growth typeの3型に分類される.このうち最多であるMF typeは分葉状の結節を形成し,病変辺縁部では腫瘍腺管密度が高く血管が比較的豊富で,病変中心部では腺管・血管ともやや疎で線維性間質が豊富である.超音波像はこのような病理組織像を反映したものとなるが,しばしば病変内に多彩性が見られる点には注意が必要である.とくに腺管のサイズや壊死の物性に留意したい.肝内胆管癌のsubtypeである細胆管細胞癌(cholangiolocarcinoma;CLC)や,ductal plate malformation-like featureにおいては,上記の特徴のほかにもいくつか特異的な病理所見がみられ,画像にも反映される.
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