特集 肝の超音波を知り尽くす ―肝腫瘍の診断と治療支援
1.腫瘍診断(4)悪性肝腫瘍 b.肝内胆管癌(胆管細胞癌),細胆管細胞癌,転移性肝癌
黒田 英克
1
,
藤原 裕大
1
,
長澤 倫明
1
,
阿部 珠美
1
,
松本 主之
1
1岩手医科大学内科学講座消化器内科分野
キーワード:
胆管細胞癌
,
細胆管細胞癌
,
転移性肝癌
,
超音波検査
Keyword:
胆管細胞癌
,
細胆管細胞癌
,
転移性肝癌
,
超音波検査
pp.1675-1681
発行日 2022年11月20日
Published Date 2022/11/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002447
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超音波Bモード,ならびに,ドプラ検査や造影超音波による腫瘍血流評価は,悪性肝腫瘍診断の鑑別診断に不可欠な検査手法である.肝内胆管癌の肉眼分類は,① 腫瘤形成型,② 胆管浸潤型,③ 胆管内発育型の3基本型に分類され,腫瘤形成型が最も多い.腫瘤形成型胆管細胞癌の多くは乏血性であり,腫瘍周辺に圧排された既存の拍動性または定常性血管を認め,造影超音波検査の後血管相では明瞭または不完全な欠損を示す.細胆管細胞癌の典型的超音波検査所見は,① 辺縁不整な低エコー腫瘤,② notchの形成,③ 造影超音波検査動脈相における早期濃染や樹枝状濃染,④ 門脈相での遷延性濃染,⑤ 後血管相で明瞭な欠損像,⑥ 腫瘍内部への脈管貫通所見である.転移性肝癌は,① bull’s eye pattern,② 腫瘍辺縁の血流シグナル,③ リング状濃染などを呈する.本稿では,肝内胆管癌,細胆管細胞癌と転移性肝癌の典型的な超音波画像所見について,CT,MRI所見を交えて概述した.
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