Japanese
English
臨床報告
腺癌成分が細胆管細胞癌の形態を示した肝原発腺扁平上皮癌の1例
A case of adenosquamous carcinoma of the liver with differentiation toward cholangiolocellular carcinoma
小林 達則
1
,
岡林 弘樹
1
,
香川 哲也
1
,
上山 聰
1
,
荻野 哲也
2
Tatsunori KOBAYASHI
1
1三原赤十字病院外科
2三原赤十字病院病理
キーワード:
肝臓
,
腺扁平上皮癌
,
細胆管細胞癌
Keyword:
肝臓
,
腺扁平上皮癌
,
細胆管細胞癌
pp.903-908
発行日 2015年7月20日
Published Date 2015/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407210823
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要旨
症例は68歳,男性.B型慢性肝炎からの肝細胞癌に対して経皮的ラジオ波焼灼療法,直腸癌およびその肺転移の手術既往があった.近医でこれらのフォローアップ中,肝前上亜区域に腫瘤が発見され,加療目的で当院に紹介となった.自覚症状はなく,CEAとCA19-9は軽度上昇していた.超音波検査で肝の腫瘤は3.5 cm大で内部に高エコーを伴う低エコー像を呈し,CTおよびMRI検査で造影により辺縁は不整に濃染された.PET/CT検査では腫瘤に一致してFDGの異常集積を認めた.転移性肝癌の診断で肝前上亜区域切除術を施行した.切除標本所見で腫瘤の境界は比較的明瞭で割面は白色を呈し,内部に壊死と出血を認めた.病理所見で腫瘍には細胆管細胞癌の形態を示す腺癌成分と扁平上皮癌の成分がみられ,肝原発腺扁平上皮癌と診断した.腺癌成分が細胆管細胞癌の形態を示した肝原発腺扁平上皮癌は過去に報告はなく,極めて稀で貴重な症例と考え報告した.
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