Japanese
English
症例報告
肝内結石を合併し胆管細胞癌との鑑別が困難であった肝炎症性偽腫瘍の1例
Inflammatory Pseudotumor With Hepatolithiasis Causing Difficulties in Differential Diagnosis from Cholangiocellular Carcinoma ; A Case Report
金本 真美
1
,
藤井 正彦
1
,
三宅 秀則
1
,
西岡 将規
1
,
倉橋 三穂
1
,
鷹村 和人
1
,
佐々木 克哉
1
,
田代 征記
1
Mami KANAMOTO
1
,
Masahiko FUJII
1
,
Hidenori MIYAKE
1
,
Masanori NISHIOKA
1
,
Miho KURAHASHI
1
,
Kazuhito TAKAMURA
1
,
Katsuya SASAKI
1
,
Seiki TASHIRO
1
1徳島大学医学部臓器病態外科
1Department of Digestive Surgery,University of Tokushima School of Medicine
キーワード:
肝炎症性偽腫瘍
,
胆管細胞癌
Keyword:
肝炎症性偽腫瘍
,
胆管細胞癌
pp.419-423
発行日 2004年5月15日
Published Date 2004/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1427100330
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要旨 患者は76歳,男性.全身倦怠感を主訴に近医を受診し,肝左葉の腫瘍を指摘されたが放置していた.その後全身倦怠感が徐々に増強したため再受診した際に,腫瘍の増大傾向を認め当科に紹介された.画像所見からは炎症性腫瘍も疑われたが,短期間での腫瘍の増大傾向から胆管細胞癌と診断し,肝左葉切除術,胆囊摘出術を施行した.摘出標本では腫瘍内部の膿瘍形成と,腫瘍内および末梢胆管内に数個の黒色石を認めたが悪性所見は認めず,肝内結石による胆管閉塞から発症した肝炎症性偽腫瘍(IPT)と診断した.画像上はIPTが疑われた場合でも,増大傾向を示し悪性の可能性が否定できない症例では,外科的切除の適応であると考えられた.(消化器画像2004;6:419―423)
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