特集 肝の超音波を知り尽くす ―びまん性肝疾患の診断
3.びまん性肝疾患(脂肪化)(1)Bモード画像 b.簾状エコー(櫛状エコー,Flag signとの相違)
住野 泰清
1
,
和久井 紀貴
2
,
永井 英成
2
,
丸山 憲一
3
,
神山 直久
4
1JCHO東京蒲田医療センター消化器内科
2東邦大学医療センター大森病院消化器内科
3東邦大学医療センター大森病院臨床生理機能検査部
4GEヘルスケア超音波製品開発部
キーワード:
Bモード超音波検査
,
脂肪肝
,
簾状エコー
Keyword:
Bモード超音波検査
,
脂肪肝
,
簾状エコー
pp.1572-1574
発行日 2022年10月20日
Published Date 2022/10/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002420
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非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)のBモード画像には走査線に沿う音響陰影アーチファクトが多数発現し「簾(すだれ)」を連想させるパターンをとるものがある.これを簾状エコーと呼称する.詳細な画像解析と検証実験の結果,これら音響陰影アーチファクトの多くは血管内血液と肝脂肪との音速差により生じたもので,高度脂肪肝(少なくとも中等度以上)の脂肪肝を示唆する所見であることが明らかとなった.一方,臨床的検討では,本所見は非アルコール性脂肪肝炎(NASH)症例に発現する頻度が高い.したがって,線維性隔壁や再生結節の関与も否定はできない.今後の解明が待たれる.
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