特集 外来で行う消化器がん薬物療法のコツ ― 専門医からのアドバイス
3.外来で施行可能な最新レジメンと最適な患者管理(4)イリノテカン系薬物使用レジメン
下嵜 啓太郎
1
,
高張 大亮
1
1がん研有明病院消化器化学療法科
キーワード:
トポイソメラーゼ
,
イリノテカン
,
トラスツズマブ デルクステカン
,
抗体薬物複合体
,
ナノリポソーム型イリノテカン
Keyword:
トポイソメラーゼ
,
イリノテカン
,
トラスツズマブ デルクステカン
,
抗体薬物複合体
,
ナノリポソーム型イリノテカン
pp.1463-1469
発行日 2022年9月20日
Published Date 2022/9/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002393
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イリノテカン(IRI)は現在,胃がんや大腸がん,膵がんの化学療法において日常臨床で汎用されている.また腫瘍組織への効率的な薬剤到達と副作用の軽減を目的としたdrug delivery systemの観点から,水溶性のIRIをリポソーム内部に封入したIRI内包リポソームが膵がんにおける二次治療で,さらには腫瘍細胞に特異的に発現している蛋白を標的とした抗体にトポイソメラーゼ阻害薬の一種であるデルクステカンを効率的に結合させた抗体薬物複合体であるトラスツズマブ デルクステカンがHER2陽性胃がんの三次治療において有効性を示している.これらの薬剤はそれぞれ毒性の発現プロファイルが異なるため,薬剤の有効性を最大限に発揮させるためには,薬物療法医は適切なマネジメントを身につけ実践することが求められる.
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